Bing & Grondahal Carl Larsson “Azalea”


ビング・オー・グレンダール
カール・ラーション「アザレア」

カール・ラーションシリーズ一番手

限定4501製作の618番

花に囲まれた少女アザレア

B&G晩期に国民へのプレゼント

凛としたコーヒーカップ。レースの絵皿

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デンマークの名陶、ビング・オー・グレンダール（Bing & Grondahal=B&G）が1980年に製作したカール・ラーション（Carl Larsson）の絵をモチーフにした10種類ほどの限定版トリオの内、トップ・バッター「アザレア（Azalea）」。新品からストックされた未使用品。

カール・ラーション（1853年5月28日 - 1919年1月22日）は詳しい資料を付けましたが、著名なスエーデンの国民的画家。自身の家族を題材として当時の中流階級の日常生活風景の作品を数多く残し、その情景から溢れ出す幸福感が人々の共感を呼んだとされます。
B&Gがこの大シリーズを1980年一年で製作しています。このデンマークの名陶がライバルであるロイヤル・コペンハーゲンと合併したのは1987年でしたが、この頃には既に合併話は具体化していたのではないでしょうか。最後の記念碑的限定製作シリーズとしてこのカール・ラーションのコレクションシリーズが作られた可能性はあります。

このトリオは部屋の中で大きな花々に囲まれた少女アザレアを描いたもの。シリーズの「モチーフ１」で、謂わば一番手。
同時期に一斉に売り出されていますから、この「アザレア」が特に注目されたわけではない。しかしこのシリーズを知るB&Gファンの多くの方の目に焼き付いているのではないかとさえ思われる素晴らしい絵柄です。
窓から差し込む光を背に受け、逆光になった少女の顔。こちらを向いたたくさんの大輪の花々もまた逆光で、深い影に浮かぶはなとして描かれています。濃い影に浮かぶ花と少女の色合いも濃い。光を負った濃い色のスケッチが、サイドプレートに小さく模写されていますが、大きな原画の素晴らしさを損なわない、写真展者の高度な技術が使われています。
素朴で誠実な手描きの味で親しまれ、世界にファンが多いB&Gですが、その手描きのイメージを損なわない立派な転写技術を発揮しています。絵画の縮小レプリカをこれ以前にB&Gが手掛けたことはないと思うのですが、このシリーズを製作するにあたって開発した新技術なんでしょうか。

ウェッジウッドが20世紀末にHistoric Townというテーマで英国の歴史深い街の絵を絵皿とカップに描いた限定版シリーズを作っています。絵皿の方には写真印刷がなされたと思っているのですが、樹々などに転写で色を重ね、普通なら平板になる「印刷」に深みを与えて素晴らしい仕上がりにしていました。カール・ラーションのこのシリーズとは同じ手法とは見えませんが、ウェッジウッドに負けてはいない。

このシリーズに出てくる少女の中では、アザレアはやや年長。乙女と言っていい頃でしょうか。この絵に出演するにはこの子しかいないという絵とよくマッチした年代。
出品者は新設計のコーヒーカップのB&Gらしからぬスマートな感じといい、手の込んだレース状のボーダーから、これは子ども用に作られたシリーズではないと踏んでいます。大人の女性が身近で「思い出の写真立て」の如き使い方をするトリオだと思っています。
このアザレアなんかが使うにはよろしいが、幼児が使うようなトリオではない。以前未使用ということでこのトリオを入れた紙箱も一緒に送ってもらったことがあります。
紙箱にはいくつかの他の絵が印刷されていて、シリーズが異様を知るには便利でしたが、外見は高級品を入れるようなセンスは感じられず、まさに「お子様用」という雰囲気でした。箱にはB&Gのセンスはかけらも感じられず、安っぽかった。

限定製作の数と番号はプレートにのみ印刷されています。デュオには番号はなく、多分、デュオのみの販売も行われたのでしょう。絵皿がなければどうしようもない製品だとは思うのですが。

カップの高さ7ｃｍ、口径7ｃｍ。ソーサーの直径は13㎝と小さめですが重い。レース付きサイドプレートの直径は１６．７ｃｍ。

Bing & Grondahal
1853年4月15日、Bing＆Grndahlは、デンマーク王立磁器工房の置物メーカーであるGrndahlと、アートと本のディーラーであるBing兄弟によって設立されました。
工場は、当時デンマークのコペンハーゲン市外のVesterbro地区のVesterbrogadeとRahbekAllの角にありました。 Grndahlは最初にBertel Thorvaldsenの 新古典主義の彫刻をモデルにしたビスケットの磁器の置物を生産する会社を始めました。 同社はエレガントな食器やコーヒーセットで生産を拡大しました。
同社のシグネチャーデザイン、 Seagullは、1892年にデザイナーのFanny Garde（1855-1925）によって作成されました。 控えめでクラシックなデザインは、淡いブルーの背景、タツノオトシゴの柄、縁の周りの鱗の陰影付きのパターンに対してカモメが飛んでいます。 1950年代から1980年代にかけて普及したSeagullのデザインは、「デンマーク国民奉仕」と見なされました。 その間、デンマークの10世帯のうち1世帯が食器サービスを所有していました。
1895年に、Bing＆Grndahlは一連のクリスマスプレートの最初を作りました。 コバルトブルーと白の伝統的な冬景色でデザインされた、プレートは100年以上の間毎年リリースされています。
コレクターによって望ましいとして注目されて、このシリーズは会社の生産の大部分を担当するようになりました。
1987年に、同社は主要な競争相手であるRoyal Copenhagenの名前でRoyal Porcelain Factoryと合併しました 。

+ + + この商品説明は オークションプレートメーカー２ で作成しました + + +
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